移り変わりが激しく、さまざまなモノや情報が溢れ消費されては消えていく・・・・・。
そんなめまぐるしい現代において独自のスタンスで確固たる作品を作り続けるのが、下倉洋之氏手掛ける 「Ague」。
アイヌの世界に深く傾倒し、アイヌの人々やその代々受け継がれてきた伝統に畏敬の念を抱き、接し、そこから生み出される
彼の作品はジュエリーという域を超えた装身具の原点である「護符としての装身具」の輝きを放つ。
常により高いクオリティを探求し、下倉氏の生き方すべてが反映された作品は、財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構主催
「平成18年度、平成20年度アイヌ工芸作品コンテスト」で優秀賞を受賞する。
また、代表作である”Kimun Kamuy Ring”(熊の成獣を指す言葉で、エゾヒグマの右前足を模してデザインしたリング)は
山の神である熊に対し、最大の敬意を払い卓越した彫金技術を駆使し、毛並みの一彫り一彫りにまで全てを注ぎ込み
生み出される。
1999年に初代が誕生し、一見同じ様に見えるこの作品も更なる進化を遂げ14代目となった。
時代が変わり、長い年月を経てもその 「祈りのかたち」 は受け継がれ、そして我々多くの人々が忘れ去ってしまった
何かに気づかせてくれるだろう。